パワハラ110番

会社にとってもパワハラは頭の痛い問題

「パワハラなんて、テレビの世界の話だ」
…なんて、他人事のように感じていませんか?

 

同様に、「うちの会社に限ってパワハラなんて起こるハズがない」
なんて楽観視している人事担当者もいるかもしれません。

 

しかし、パワハラやセクハラといった社内スキャンダルは
もはや対岸の火事ではありません。
パワハラやセクハラに関する行政機関への相談件数が、
1年間で3万件を越えたというデータもあるくらい!!
実に、5年前の3倍増なのだとか…。

 

ハラスメント問題は、いまや
“どこの会社でも”“誰の身にも”起こりえる、非常に深刻な問題なのです。

 

こういった現状を受けて、平成19年4月には
「改正男女雇用機会均等法」が施行され、
事業主に対するセクハラ対策の規則が強化されました。

 

これには、事業主への罰則規定も盛りこまれています。
こうなっては、会社側もボーっとしてはいられない!…というわけで、
コンサルタント会社と提携してパワハラ・セクハラ教育を実施したり、
専門の相談窓口を設けたり…等々、企業側も新しい動きを始めています。

 

各企業にパワハラ対策のノウハウを指導する機関としては、
例えばこんな会社があります。

パワハラは労災認定してもらえるの?

パワハラ=パワー・ハラスメントは、
21世紀に入ってから日本で誕生した和製英語です。

 

パワハラそのものを取り締まる法律は残念ながらまだありません。
そのためこれまでは、パワハラが原因でうつ病になったり
会社を辞めざるを得ない状況になったとしても、
泣き寝入りをするしかない…というケースがほとんどでした。

 

しかし、2009年4月、労災認定する際の判断基準が見直されたことにより、
パワハラを原因とする精神疾患について労災認定できるようになったのです。
それだけ、パワハラ問題が社会的にも広く認知されるようになったということでしょう。

 

苦しんでいる人が泣き寝入りするような現状がまかり通るような国に未来はありません!

パワハラに対して企業がとるべき理想の対応は?

パワハラに対する会社側の対応としては、
とにかく初期の段階で介入することが望ましいと言えるでしょう。
パワハラ問題は、時間が経過すればするほど被害者の傷も深くなりますし、
穏便な解決が難しくなってしまうからです。

 

そのためには、普段から会社全体の風通しを良くしておくことが必要。
苦情処理相談窓口を設置するなどして、
社員が気軽に悩みを相談できる環境を整えておくことが理想です。

 

とはいえ、相談窓口を設けたところで、
適切な対応ができるスタッフがいなければ意味がありません。
パワハラやセクハラはプライバシーの問題がからんできますし、
心のケアが必要になるケースも多々ありますので、
誰でも良いというわけにはいかないのです。

 

外部に依頼して専門のカウンセラーを派遣してもらったり、
外部機関の協力を得て専門の相談員を育成するなど、
人材の確保が求められます。

 

それでも、万が一会社でパワハラ問題が起きてしまった場合は、
なによりまず被害者の人権を尊重することを第一に考えるべきです。

 

パワハラの問題は、単なる個人間のトラブルには留まりません。
その会社に存在する雇用上の差別などが
パワハラトラブルとして顕在化しているのかもしれないのです。

 

担当者は、加害者・被害者の間に入って、
あくまで中立な立場として双方の認識の違いを検証すべきです。

 

また、民法第715条や719条に基づき、
会社が被害者に損害賠償を支払わなければならないケースもあります。

 

パワハラ自体は一人の社員が自分本位に行った行為であったとしても、
その社員を雇っている会社自体も責任を追及されることになってしまうのんですよね…。。