パワハラ110番

“ブラック企業”とは?

みなさんは、“ブラック企業”という言葉をご存知でしょうか?
数年前から、ネットの掲示板などでよく使われるようになった言葉です。

 

ブラック企業とは、次のような企業
(民間企業だけではなく、学校法人、社会福祉法人、
官公庁や医療機関なども含む)のことを表現する言葉です。

 

 

◆従業員に対して労働法やその他の法令に抵触している、
あるいは抵触する可能性がある条件下での労働を強いる

 

◆関係諸法に抵触する可能性がある営業行為を従業員に強いる

 

◆パワーハラスメントを常套手段としながら、
本来の業務とは無関係な非合理的負担を与える労働を強いる

 

 

もともとは、反社会的勢力(暴力団など)との結びつきが強い企業に対する
隠語だった言葉なのだとか。
しかし、パワハラ問題が深刻化する近年では、従業員に対して
劣悪な環境での労働を強いる企業を指して使われる言葉に変化しています。

 

ネットでは、“入社を勧められない企業”、
“「転職したほうが良い」と推奨される企業”を総称して
ブラック企業と呼んでいるようです。

ブラック企業はこんな会社!

パワハラが横行するブラック企業は、一般企業に比べて
入社するのが比較的容易であるようです。
なぜなら、離職率が高いため、常に新人を募集しているからです。

 

入るのは簡単でも、入社後は厳しいノルマや長時間労働、
非合理的で割に合わない仕事、理不尽な評価…と、
パワハラのオンパレード!
心身共に疲弊し、精神の破綻をきたす従業員が多いということなのです。

 

パワハラ企業、いわゆるブラック企業は、
人材を大量に浪費して食い潰す事によってみ成り立つのが特徴。
就職活動を行う際は、各企業の離職率についても
よく調べておきましょう。

 

もちろん、このようなパワハラ体質が
社会的に問題にならないはずがありません。
民事訴訟や刑事訴訟などの形で表面化する例は多々あります。

 

具体的には、「パワハラが原因でうつ病になった」「理由なくリストラされた」
「夫が過労死した」

「給料が未払いのままリストラされた」「派遣切りされた」…等々。

 

ブラック企業の中には、一般企業と比べて
コンプライアンスの無視が常態化している会社もあり、
ギリギリのラインで営業を続けているところも少なくないようです。

こんな企業に要注意!

パワハラが横行するブラック会社を見分けるためには、
いくつかのポイントがあります。
就・転職する際には、
これらのポイントに注意しながら会社を選びましょう。

 

●離職率
パワハラ企業かどうかを知る最も簡単な方法は、離職率です。
辞める人が多いということは、
それだけ働きにくい環境であるともいえるからです。

 

しかし、ほとんどの場合、離職率や退職者数は
外部に公開されていません。
そこで次のようなポイントを基準に
離職率を推定することをオススメします。

 

・従業員の平均年齢が若い→
大半が平均年齢前後で退職しており、人が育っていない可能性アリ。
教育体制が未熟で、パワハラなどのトラブルが起きやすい。

 

・大量採用、または高頻度に求人広告を出している→
採用数が多いことは、退職者も多いことの裏返しである場合が多。
若い従業員が使い捨て状態にされている可能性も…。

 

・広告で「若い社員にも重要な仕事を任せます」と謳っている→
仕事の指導やアドバイスがほとんどないまま、
いきなりベテランと同等の仕事をこなすことを要求される可能性アリ。

 

・「頑張った分だけ評価してもらえる」をアピール→
実際はノルマ以上の目標を課せられるケースも…!
また、達成できない場合には、解雇をほのめかされたり
嫌がらせをされたりなどのパワハラ行為に発展する場合もアリ。

 

・「アットホームな雰囲気」をアピール→
サービス残業や付き合い残業が恒常化しており、
会社の行事などに強制的に参加させられるケースが多。

 

・「残業なし」→
あくまで、残業代が支払われないという意味。
残業がないわけではなく、むしろ無給で長時間労働を強いられる。

 

・「少数精鋭」→
仕事量に対して人材が極端に少ない企業。
残業や休日出勤は当たり前の場合が多い。

 

・「明るい雰囲気」「みんな仲が良い」というイメージをアピールする→
体育会系的な体質で、精神論で人を動かすタイプの企業に多し。
上司や先輩社員によるパワハラまがいの教育は当たり前。

 

 

…この他、入社時の面接が一切ないか、
ごく形式的な面接に留まっている企業も危険です。
これは、どんどん人を採用して、合わないヤツは
どんどん切ってしまえば良いという「使い捨て」の表れ。

 

また、 採用通知を書面で通達しなかったり、
社会保険の制度がない場合も注意が必要です。

 

ネットで検索すると、
「ここはブラック!」
「ここはパワハラが日常茶飯事」
といった具体的な企業情報が飛び交う掲示板なども存在していますので、
試しにのぞいてみてはいかがでしょうか?