パワハラ110番

朝礼でパワハラが横行していることに気づく

H23年1月に入社して約2週間の研修を終え、本体と合流した日の朝礼で初めてこの会社が、パワハラが横行している酷い会社である事に気がつきました。
A社では外務員への毎日のパワーハラスメントによる心理支配で契約をとらせるという時代錯誤の手法で強引な契約を次々と生み出しているのですが、外務員も次々と使い捨てられて自主退社に追いやられるまでの経緯は今の時代の会社とは思えないものです。

 

まず私たちの一日は、なんだか新興宗教のような異様な空気の朝礼から始まります。朝礼の司会は日替わりの当番制ですが、あいさつのあとに自分の契約に関する美談を発表しては、社員全員で拍手をして称えるというおきまりのあとに、主任による「私たちの仕事は相互扶助の精神にのっとった素晴らしい仕事」という自画自賛と、「うちの商品は本当に素晴らしく、この商品を一人でも多くのお客様に紹介して契約を取ることだけが、あなたたち外務員に課せられた使命です」という洗脳が始まります。

 

そしてそれはすぐに怒鳴り声のパワハラ朝礼に変わっていきますが、主任→係長→課長の順に行われる毎日のパワハラは成績表での指摘から始まります。「まずは成績ボードを見てください」と言って、朝礼を行うフロアの左側面に掲示されているホワイトボードに約40名の社員の目を向けさせて
「自分の成績がどうなっているのか。一体どう考えているのか。自分で良く考えてから、前を向きなおしてください。」といってから、「成績が遅れているものは自分の責任をどう考えているのか?この仕事に向いていないのならば、自ら去るべきではないのか?」「職責も全うできずに給料をもらうのか?職責を全うしている社員に申し訳ないと思わないのか?」などという言葉を5分も10分も続けます。

 

そのあとに「成績不良のものは手を挙げなさい」といって手を挙げさせて、手を挙げていない社員に「みなさんよく見ておきなさい」と、成績不良の社員を全員の前でさらしものにしますが、この手を上げる15秒くらいの時間は恐ろしく長く感じます。その後には課長が現在の全体の成績を発表して、
「成績に貢献していない成績不良者は一体どう責任をとるつもりなのだ、土日は休みだが果たしてどう行動するのか?分かっているよな」と土日のサービス自主出勤を毎日のように促してやっと朝礼が終わります。

 

「契約を取らなければ毎朝のようにさらしものにされる」という恐怖を社員全員に植え付けるのがこの朝礼の目的ですが、さらなるカラクリとして「カラアゲ」と称される成績が存在し、「実際は契約数を上げていないが、上司にとりいって従順なものに対して空の成績が上がっていく」というようなものを使って、さらなる上司への服従を徹底しています。
上司に上手く取り入って「カラアゲ」どころか、会社に問い合わせをしてきた御客様の契約を特定の社員にまわすというワイロまがいのやり取りもあり、生き残りのための社員同士の醜い駆け引きが横行するというろくでもない現実が、東京のど真ん中のグループ全体の社員数が1000人を超える大手の会社でH23年に存在していたのです。

 

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