パワハラ110番

パワハラのタイプと加害者の特徴を知る@

「パワハラ」と一言で言っても、その内容は様々です。加害者の性格に問題がある場合もあれば、被害者の側に問題がある場合もあり、また、双方を取り囲む環境に問題がある場合もあるでしょう。ケースによって状況は異なりますから、一概に何が悪いとは言い切れないのが実際のところです。
ここでは、「加害者側に問題がある」という立場に立ってパワハラのタイプを考えてみることにしましょう。一言で「パワハラ加害者」といっても、その人の元々の性格に応じてハラスメントのタイプは様々です。数多くのパワハラケースを統計的に分類すると、パワハラ加害者にはだいたい次の4つのタイプがあります。

 

パワハラ上司のタイプ

 

自己中心型

典型的な、いじめっこタイプです。『ドラえもん』のジャイアンを想像するとイメージしやすいかもしれません。とにかく、「自分は正しい」と信じて疑わないタイプ。確かに、業績の面でも会社への貢献度が高く「デキる男」である場合が多いようですね。自分が何でも要領よくできてしまう分、仕事ができない人を見ているとそれだけでイライラしてしまうようです。結果的に、相手を怒鳴ったり、暴力を振るったり、無理な仕事を押し付けたり。力任せに、強引な手段で部下を叩き直そうとしてしまいがちですので、相手側にとってはいい迷惑です。
ただし、ジャイアンを見ても分かるように、このタイプは意外と情に厚いところがあったりします。自分とは違うタイプ、つまりは気が弱かったり控えめだったりするのび太タイプへの接し方が分からないだけかもしれません。本当に、純粋に相手の成長を願って厳しく指導しているだけという場合もありますから、パワハラかどうかを判断する前に相手に悪意があるかどうかを見極める必要があります。

 

過干渉型

仕事からプライベートなことまで、とにかく細かく干渉してくる「ウザい」タイプ。仕事のやり方について、まったく方向性も示さずに放置する上司も困りものですが、一から十まで細かく口出しされるのも本当に苦痛なものです。一つ終わってチェックされ、ダメ出しされてもう一度やり直して…それを繰り返しているうちに、納期が過ぎてしまうなんていう経験はないでしょうか? とにかく、他人の行動が気になり、粗を探さずにはいられないのです。
こうしたチェックが続くと、部下としては「自分はそんなに信用されていないんだろうか」と自信を失ってやる気を削がれてしまいますよね。しかし、実際は、相手を信用していないという単純な理由ばかりではありません。一つには、その上司自身が暇を持て余している可能性が考えられます。自分が暇で手持無沙汰だと、どうしても他人の粗が目につくようになるものでしょう。また、部下の力を試してみたいというちょっと意地悪な気持ちもあるのかもしれません。さらには、デキる部下の出鼻をくじいてみたい、部下の手柄が妬ましいといった気持ちもあるのでしょう。
しかし、これもまた、部下の成長を願えばこその行動という場合も有り得ます。悪意などは全くなく、単純に細かいことが気になって「それを直した方が良い」と思えばこそ色々と指摘している人もいるのです。
そういう場合は、もう、「この人はこういう細かい人なんだ」と割り切り、相談に行く場合は他の先輩社員に同席してもらうなど脇を固めて臨むことをオススメします。このタイプは、人が増えると言いたいことを言えなくなったりするものですから。
(「細かいご指摘、ありがとうございます」と嫌味の一つも言えるくらい割り切れると精神的に楽になれるかもしれませんね)

 

パワハラ上司 他2つはどんなタイプ?